豆盆栽
観察力も身につく! 世界中どこでも楽しめる豆盆栽の魅力とは
自分流のスタイルで、心からやりたいこと(=趣味)をとことんやり続けている人々は、どのようなスタイルでその趣味を続け、楽しみや喜びを得ているのか?今回は、豆盆栽が趣味というベネズエラ人のマイコル・メディナ(通称:豆)さんに注目。国内外でも静かなブームになっているという豆盆栽の魅力に迫る。

興味から趣味へ。手軽に植物と暮らせる豆盆栽にハマる

――日本語お上手ですね。来日してどれくらい経つんですか。

日本に来て8年が経ちます。最初は京都にいました。今は東京でデザイナーとして働いています。


――豆盆栽に興味を持ったきっかけはなんだったんですか?

京都にいたころ通っていた書道教室の生徒で、盆栽をやっている人がいたんです。そのころから盆栽に興味があったので教えてもらいたいと思っていたのですが、とても他のことを聞ける雰囲気じゃなかったので、東京に来てから盆栽教室を探しました。

豆盆栽を始めたのは2014年からです。引っ越し先の近くに教室があったので、1度体験しにいきました。やってみたら、想像していた以上に面白かったですね。すっかりはまってしまい、今では10本くらい豆盆栽を育てています。

――教室の中は、レベル関係なくみんなで盆栽を触る感じなのですか?

いいえ。教室は初心者からレベル別で分けられているんです。自分は2年目なので、ちょうど中級くらいのクラスで学んでいるところですね。


――もともと植物がお好きなのでしょうか。

ええ、そうですね。ベネズエラでも、山で育ったので緑が好きなんです。京都は緑が多かったけど、今の家の周りには緑が少ないんですよね。だからこそ、豆盆栽なら気軽に緑と触れられるというところに魅力を感じます。


――初めて盆栽やったときは、やっぱり緊張しましたか?

緊張していましたね(笑)。「植物が死ぬかな」と思って、怖かったです。でも今は慣れました。


――書道と豆盆栽、ふたつとも「和の趣味」ですが、大きく違うなと感じたところはありますか。

書道は最初にきちんと型をやるんですね。ある程度決まっているんです。でも、豆盆栽は完成形のデザインを想像しながら作っていくもの。だから、自分が今やっているデザインの仕事に近いような気がします。デザインの仕事も完成形を想像しながらつくるものなので。

社会でも使える力が身につく! 意外な豆盆栽の側面

――マイコルさんからみて、豆盆栽はどんな趣味だと感じましたか。

そうですね、「観察力」と「集中力」が育つ趣味だと思いました。

毎日見ていると豆盆栽はちょっとずつ変わっていくんです。花が急に咲いたり、クローバーが顔を出したり。盆栽の先生からも「小さな変化に気づくことが大事」と言われています。

これは人間に対しても一緒ですよね。人も毎日同じということはあり得ません。状況、天気など、様々な条件で変わります。なので盆栽の趣味を通じて、周りの人に対する観察力も育ちました。

あと書道のときも必要だった「集中力」が、豆盆栽を整えるときなどに必要だと感じました。書道や豆盆栽に限らず、日本の伝統的な趣味はどれも集中力が必要だと思っています。

――その2つは、そのまま仕事にも生かせそうですね。

そうですね。盆栽を育てることは、社会に似ている部分があると感じています。

形を整えるとき、先生は「どの枝をカットするか、『決定』が大切」と言っています。目指す形にするためにも、全部の枝は残せないのです。例えば3つ枝があるうち、1つが勢いが強すぎる状態、1つが弱い状態だとします。弱い枝が育つことでメリットがあり、強すぎる枝が他に悪影響を与えると感じたら、強すぎる枝を切ることになります。

これは、人間のチームプレイにも当てはまりますよね。ひとり強すぎる人がいる。ひとり弱い人がいる。例えば、チーム全体の成長を考えたとき、強すぎる人が全体によくない影響を与えると考えたら、リーダーはその人を外すことになります。


――なるほど。社会の縮図が、豆盆栽なのですね。

本当にそうなんです。豆盆栽の剪定を行うことは、経済やビジネスと一緒なのです。だからこそ、盆栽するときは現状に例えながら剪定することもあります。

だからこそ昔の政治家は、盆栽をしながらいろいろなことを決めていたらしいですよ。考えながら剪定することで、それまで見えなかったことが見えるというメリットもあるんです。

――リラックスや楽しみの面で、豆盆栽をやっていてよかったと思うことはありますか。

豆盆栽をやることで、木がちゃんと育つかそうでないか、目に見えるようになります。以前は目に見えなかったことが、木に関してはわかるようになったので良かったなと思います。実は、もともと実家では農業や酪農をやっていたんですよね。豆盆栽は、収穫するときに植物をみるのと似た感覚だと思いました。


――豆盆栽から農家ならではの感覚が目覚めたんですね。

パソコン仕事では得られない、こういう野性的な感覚がひとつでもあったほうが人間っぽいかなと思うんです。特に東京は、便利で何も困らない分、野性的な感覚を1つでも保っておきたいと思っています。

海外の木々でもできるからこそ、広がる将来の夢

――この先、豆盆栽に関連した夢はありますか?

豆盆栽を3年やったら、大きい盆栽に行けると先生に言われているんです。今2年目なのであと1年、豆盆栽を続けようと思います。大きい盆栽を始めたら、売れるかな?(笑)

大きい盆栽も3年続けたら、その次は盆栽業界の審査イベントに出したいと思っています。そこで認めてもらって、将来は海外で盆栽を教えたいですね。

――盆栽は梅や松と言った木のイメージが強いですが、海外の木でもできるものなんですか?

盆栽自体はだたのフォーマットなので、どこでも、どの木でもできます。だから、いつかベネズエラの木で豆盆栽ができたら面白いな。それで賞をとれば、将来ベネズエラに戻っても日本にいた証拠になりますよね。今から、そのことを考えると楽しみです!

豆盆栽のいいところは夢が広がること。本気でやれば、どこでもいろいろなことができるんです!

あと直近では、書道と盆栽をミックスさせたデザインのフォントを作ろうと思っています。Instagramにサンプルをアップしたら、中国のフォントの本の会社から連絡がきたんですよ。


――ワクワクしますね! ちなみにこれから豆盆栽を始めようと考えている人向けに、こういう人は向いている人というのがあれば、教えてください。

豆盆栽が向いているのは、まめな人ですね。まめに世話できない人は、きっとすぐ枯らせてしまうと思います。やはり植物は生き物なので、細かい変化に気づく必要があります。ノリだけでは育てることはできません。

私の家に友達が来ると、みんな豆盆栽に興味を持つんですね。今まで5人ほど、通っている教室に連れて行ったことがあるけど、全員枯らしてしまったんです。だから、そんなに手軽で簡単な趣味ではないんだなと思っています。

――そうですよね。相手は生き物ですものね。

ただ、向いているかどうかはやはり、1回やってみないとわからないんですよ。自分も体験してみて向いていると思ったところがあるので、興味がある人はやってみることをおすすめします。

あと、「楽しさ」よりも「やりがい」を重視したい人にはおすすめできます。地味なことが好きな人、自然が好きな人。そして毎日の水やりが面倒と感じない人は、ぜひチャレンジしてみてください。


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