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下町散歩
日常の中の非日常に出会う「下町散歩」の魅力
自分流のスタイルで、心からやりたいこと(=趣味)をとことんやり続けている人々は、どのようなスタイルでその趣味を続け、楽しみや喜びを得ているのか?今回は、「下町散歩」を趣味として自分自身も楽しみながら、街歩きイベント等の企画・案内人としてもその魅力を伝える活動をしている徳富政樹さんのスタイルをご紹介します。普段私たちが見逃してしまいがちな様々な事やもの、それを発見できる「下町散歩」の魅力にも迫ります。

歩くことでみえてくるもの

見晴らしのいい坂の上。かつて目の前にあったという富士山がビルの後ろに隠れてしまった今も、そこにはちゃんと存在していることを富士見坂は語り続けてくれていた。

「この道は高校生の頃の通学路で、自転車で走りながら見ていましたね。」

昔からのそんな日常。そこにあるあたり前の風景の中にも歩くことで新たな発見があると徳富さんはいう。

ここにも「下町散歩」の魅力が隠れていそうだ。

ひとつの興味からつながる瞬間

――“下町散歩”を始めたきっかけは何かありますか?

「カメラですね。携帯にカメラが付き始めて撮るようになり、もっとちゃんとしたので撮ったら面白いんじゃないかと思い、あまり深く考えずに一眼レフを買っちゃいました。」

「それで何を撮ろう?と考えたときに子供の頃好きだった鉄道を撮り始め、鉄道を使って旅をしようと日帰りで日光に通うようになり古い建物を撮っていたら面白いと感じて。都内でも散策しだしたら実は近くにもいいものがいっぱいあったんです。」


――散歩中に意識的に見ているものは?

「“猫、井戸、木造の建物”ですね。それぞれにというよりは全部セットで。歩いてみると井戸ポンプを見ない町はない。北国以外では大体見かけます。みんな見ているはずだけど気づいてないんですよね」

と笑う徳富さん。終始落ち着いた柔らかい表情の中に時折見せる少年のような笑顔が、井戸への興味の深さを感じさせる。

井戸との出会い

「ある日神楽坂でカバーをされているへんな物体があって。撮影した写真をあとから見て“これは井戸に違いない”と思いました。それは使われなくなった井戸ポンプでしたが、残っていると思ってなかったものが実はまだたくさん存在していると知り、そこからどんどん井戸にはまっていきました。」

と目を輝かせる徳富さんにとって井戸ポンプの魅力とは

「非日常的でありながら、そこには当たり前のように存在しているもの」だという。

“楽しむ”から“伝える”へ

――イベント開催・人と一緒に歩くことの魅力とは?

「やっぱり新しい人と出会えることですね。自分にとっては見慣れたものでも、はじめて見た人の反応“驚き”が見られることが面白いですね。」

「同じところを歩き同じものを見ているはずなのにみんな違う写真を撮る。井戸も猫も鉄道もそれ単体で撮る人もいれば風景の中に撮る人もいる。こんなところあったかなという発見もたくさん出てくる。やっぱり自分との視点の違いが、面白いですね。」

その手ごたえ

先日開催されたという、井戸ポンプをめぐるツアーでは

「こんなマニアックなツアー誰も来ないだろうと思っていたら」

と目を細める徳富さんでしたが

街歩きの一環として井戸という新しい視点で参加されたかたや、中には井戸の専門家のかたまで、2時間で13個の井戸を回るとその数の多さに皆さん驚かれていたそう。

「写真を撮る目的のイベントではなかったのですが、始めは撮ってなかった人もだんだんと撮るようになってその反応が面白かったですね。」

「錆さびの井戸から新しく作られたものまで、すごいロケーションにあることにも感動してもらえた。意外と需要はあるんだと思いました。」

と振り返る徳富さんの表情から、参加者の満足した様子を伺い知ることができたと同時に、きっかけの一つとしての“下町散歩”から広がる可能性のようなものが見えた気がした。

徳富さんご自身も井戸を捜し歩くうちに路地の先で出会うようになり撮り始めたという猫。もともと興味があったわけではないというが、猫を撮る面白さついては

「やっぱりかわいいですね。」

と表情をゆるめた。

楽しめば広がる

――趣味を継続するために大切なことは?

「仲間を見つけることですかね。」

あとは「やっぱり楽しむこと。」

現在はブロガーとしての活動を中心に、大学の非常勤講師などもされながら趣味を続けている徳富さん。“下町散歩”をご自身で楽しむ中でイベントを開催するようになり、そこから仲間とイベントの範囲を広げていったそう。

ともに進む

――イベント募集の方法は?

「個人的に開催していたときはFacebook内だけでした。仲間と一緒に始めてからはいつも展示するギャラリー主催で募って、そこまでは参加者もほとんど知り合いでしたが“TABIKA”という旅行会社主催でと変わっていくと、参加者のほとんどが初めてお会いする人になりました。」

ブログを公開しているうちに活動の中で自然と仲間ができたので意識したことはないという徳富さんですが、“仲間”や“仲間意識”を持つことの必要性をこう続けた。

「実際に会ってお互い知り合ってなくても、同じようなことをやっている人をネットなどで見つけてこの人はこういうのを公開しているということを意識していれば、同じようなことをしている人がいるというだけでも、まあ一方通行ですけど、それもいいんじゃないかなと思いますね。」

さらなる探求心

――今後やってみたいことは?

「井戸ポンプ写真展をやってみたいですね。井戸ポンプは現在も実はたくさん残っているということを知ってもらい、実際その場に見に行ってもらって、そして写真を撮ってみる。そんなふうにどんどん行動に移してくれる人が増えていってもらえたら楽しいですよね。」

「散歩を趣味とする人はもちろん、散歩を趣味としていなくても散歩を好きになる1つのアイテムとして井戸を探してみるというのもあると知ってもらえたらと思います。」

他にも猫や鉄道の写真展開催、今年からはフィルムカメラを始めたりと自然体の中でどんどん興味の幅、活動の幅を広げていく徳富さん。

趣味と仕事に境界線を持たずとも「楽しむこと」を追求すれば、可能性は無限なのかもしれない。

徳富さんの言う「日常性と非日常性の両方を持ち合わせているもの」

それは旅先でしか味わえないと思っていたあのワクワク感と似ているようにも感じる。

「東京のど真ん中にあるとは思えないすごい風景の中に井戸があるんです。そこに行くまでの道のりもまたすごいんですよ。」

と最後に案内してもらったこの場所に辿りついたとき、

“もの“ではなく”風景”が好き、そしてなにより“楽しむこと”を大切にされている徳富さんの思いに少しだけ近づけた気がした。



外国人観光客も増え、週末は人であふれるという“谷中ぎんざ商店街”はこの日も賑わいを見せていたが、一歩路地に入りこんなにも静かな街並みを歩いていると、今度はどこへ向かうのだろうかと不思議な感覚に引きこまれる。


“そこにあるのに気が付いていないもの”は

“歩くこと”、“とりあえずでも行動してみること”

で発見できるのかもしれない。


季節の移ろいとともに表情も変える“身近でちいさな探検”に、まずは出かけてみませんか。


徳富政樹さんの情報

ブログ

http://tokutomimasaki.com/

Twitter

http://twitter.com/tokutomi

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